思えば、久しぶりに会ったとあんなに喜んでいた藍色。
俺は自分のことばかり考えていたけれど、藍色にとっては友達だったんだ。
「本当に、ごめん」
どんなに謝っても、償いきれない。
「いいよ」
「え・・・?」
「だって、俺から秀明を引き離そうとしたんだもん、しょうがないよ」
まるでなんでもないかのように言う、藍色。
その声にも表情にも、痛々しいものは感じられない。
「俺と秀明の邪魔をする奴なんて、いなくなればいいんだ」
「藍色・・・」
横たわる慶吾を見つめる目は、ひどく冷たい。
「秀明、見て?俺はこんなに汚れちゃってる・・・」
ぼろぼろになり、血でぐっしょりと湿ったシャツ。
赤く鬱血した痣が散らばり、手首には掴まれた痕が。
「・・・そんなことない、藍色は綺麗だよ」
「ずっと、一緒にいてくれる?」
「あぁ、ずっと一緒にいるよ」
俺はふいに泣きそうになる。
もう、藍色の綺麗で儚げなあの笑顔は見れないのだと分かってしまったから。
俺は自らの手で藍色を汚してしまった。
「ずっと、ずっと・・・藍色とだったらどこにだって、ついていくよ」
例えそれが、暗い底に堕ちていくことになっても。
「うん、だって秀明は俺のものだもんね」
逃さないというように背中に食い込む爪。
噎せ返るような空気のなかで交わした口づけは、甘い罪の味がした。
END
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